めし独自視点

めしのデッキ構築哲学

強さよりも「回したくなる」 を優先する

執筆: めし / Duel Studio Classic 開発者

「強い」 と「楽しい」 は同じじゃない

デッキ構築の本を読むと、 だいたい「勝率を最大化する組み方」 が書かれている。 採用カードはこれが正解、 枚数はこれ、 マナカーブはこの形。 もちろん正論で、 大会に出るならその通りに組むのが近道だ。 でも、 めしはそういう「正解だけのデッキ」 は、 だんだん回すのが苦痛になっていくと感じている。

理由は単純で、 想定通りに動きすぎるからだ。 ベテランが組んだ正解デッキは、 ベテランが組んだ通りに動く。 そこに自分の発想は入っていない。 ただ「他人の最適解をなぞる」 だけの遊びになって、 飽きが早い。

めしの構築哲学は、 「強さよりも回したくなる方を優先する」 だ。 何度回しても新しい発見がある、 自分が選んだカードが個別にちゃんと活躍する、 そんなデッキを目指す。 結果として勝率は1〜2割落ちるかもしれないが、 50回以上回しても飽きないデッキの方が、 自分には合っている。

シールドトリガーの埋め方には「物語」 を込める

シールドトリガー (S・トリガー) はクラシック環境の華だ。 攻め込まれた瞬間に、 マナを使わず逆転の一手が出てくる。 多くの構築論では「S・トリガーは6〜8枚」 と言われる。 確かに統計的に妥当な数字だが、 めしの構築では枚数より「どんなS・トリガーを入れるか」 にこだわる。

例えばクリーチャー除去のS・トリガーばかり入れると、 「攻撃されたら確率で除去が出る」 という単調な逆転になる。 そこに1〜2枚、 マナブースト系のS・トリガーや、 ブロッカーS・トリガーを混ぜると、 「攻撃されたら逆転の選択肢が広がる」 になる。 同じ「防御」 でも、 物語が違う。

めし好みの埋め方は、 「キーカードを2枚、 サブのS・トリガーを4〜6枚」 だ。 キーカードは最悪引かれてもブレイク時に使えるという保険になる。 サブはランダム性を上げて、 対戦相手も自分も毎回違う展開になる。 これだけで、 同じデッキを回しても毎回違う体験ができる。

マナカーブは「2と4を厚く」

マナカーブとは、 デッキ内のカードのコスト分布のことだ。 1, 2, 3, 4, 5...と段階ごとに何枚入っているか、 を見る。 一般論では「全コスト帯にまんべんなく」 が正解とされる。 これも間違いではないが、 クラシック環境ではめしは少し違うバランスを推す。

めしのおすすめは、 「2コストと4コストを厚く、 3コストは控えめ、 5コスト以上は鋭く絞る」 だ。 2コスト帯は序盤の手数を増やすために重要。 4コスト帯はクラシック環境のキーカード (ボルバルザーク、 アクア・サーファー、 トリプル・ブレイン、 等) が集中するゾーン。 ここを厚くすると、 デッキの動きが安定する。

逆に3コスト帯は、 「2の次に出すから無くてもいい」 こともある。 5コスト以上は、 1枚1枚が試合を決めるカードに絞った方が、 引いた時の嬉しさが大きい。 「コストごとに均等」 ではなく、 「コストごとの役割を考えて偏らせる」 のが、 楽しいデッキを作るコツだ。

フィニッシャーは2種類入れる派

フィニッシャーとは、 試合を終わらせる役割のカードだ。 ボルバルザーク、 ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン、 サファイア、 みたいな高コストの大型クリーチャーが該当する。 多くの構築論では「フィニッシャーは1種類に絞れ。 そっちを4枚積んだ方がアクセス率が上がる」 と言う。

めしはここでも逆を行く。 「フィニッシャーは2種類、 それぞれ2枚ずつ」 が好みだ。 理由は、 試合展開によって最適なフィニッシャーが変わるからだ。 相手が除去主体ならパワーで押すフィニッシャー、 相手がブロッカー主体なら貫通系のフィニッシャー、 みたいに使い分けたい。

これは勝率では損する選択かもしれない。 でも、 「今日の対戦相手にはどっちで決めようか」 と考えるのが、 デッキを回す楽しみだ。 同じ相手と何戦も対戦する身内戦では、 むしろこういう柔軟性が効いてくる。 「あいつのデッキは何が飛び出してくるか分からない」 という、 相手にとっての警戒値も上がる。

「自分のテーマ」 を1つ込める

最後に、 めしが一番大事にしている哲学を書く。 デッキには必ず「自分のテーマ」 を1つ込めることだ。 これは戦略的なテーマ (ビート、 コントロール、 コンボ) のことではない。 もっと個人的な、 「このデッキで何を表現したいか」 という話だ。

例えばめしのお気に入りの自然ビートには、 必ず「マナ加速からの早期フィニッシャー」 という別ラインが入っている。 普段は中速ビートとして回るが、 マナブーストが噛み合った時だけ突然の8コスト着地が刺さる。 これがめしの「テーマ」 だ。 効率だけ考えるなら採用しないが、 入れないとそのデッキじゃなくなる。

テーマがあると、 デッキに愛着が湧く。 弱い試合で負けても「今日はテーマが出なかったな」 と前向きに振り返れる。 勝った試合は「今日はテーマが刺さった」 と思い出に残る。 強いデッキで連勝しても残らないものが、 テーマのあるデッキだと記憶として残る。

これからクラシックでデッキを組むなら、 ぜひ「自分のテーマ」 を1つ込めてほしい。 強い構築は他人が教えてくれるが、 楽しい構築は自分しか作れない。

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